哲学者たちの政治思想
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マルティン・ルター


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マルティン・ルター

ルターは宗教改革を起こした人物として有名である。宗教改革とは、当時の教皇が免罪符を販売していたことを非難・拒否し、全ヨーロッパをその運動に巻き込んだ改革のことである。

って、簡単に説明しすぎですね。もうちょっと詳しく説明しましょ。

歴史的な背景から説明します。

1517年、当時の教皇は財政難にあえいでいました。ここで商魂魂に火かつく教皇さん。

「そうだ!免罪符という罪を免除することができるアイテムを売り出そう!これを買えばアナタの罪はなくなり、救われますよ、ってな具合に。」

教皇さん、幸福のツボを売りさばく悪徳業者の発想です。教皇さんは儲けたお金で大聖堂を建てるんじゃ〜、とウハウハ状態です。

人々はイヤイヤながらもこの免罪符を買う羽目になります。

これに対して、ルターは教皇の悪徳商法に真っ向から批判します。

「免罪符というお金の問題で人が救われることはない!大聖堂を建てることもおかしい!神の恩寵(おんちょう)を受けるのに教会なんか必要ないんだ!教会を介するのでなく、個人個人が神と結びつくべきなんだ!」

と唱えます。ルターさんの言うことはごもっともです。

しかし、こんなことを言うルターさんは教皇さんにクビにされちゃいます。クビにされる、とは破門されるということです。

するとルターさん、「抗議した私は破門された。しかし破門される、ということはそれだけ私は大きなことをやったんだ!」と自分の派を立ち上げます。

おぉ!なんというポジティブシンキングのルターさん!松岡修造もビックリです。

さらにルターさんは「教会側がどう言っても聖書によってしか私は説得されない!自分の内面(良心)と向かいあって正しいかどうかを考えるべきだ!」と、より強い反発をします。

なんという意志の強さでしょう。プッチ神父もビックリの意志の強さです。そのうち素数でも数え始めるんじゃないでしょうか。

こんなルターさんは当時のドイツで希望の星でした。農民たちにシンパシー(sympathy)を与えました。これが宗教改革となったのです。農民たちは蜂起しました。農民たちの蜂起は一定の効果をもたらしました。

教会に支払っていた税を拒否、封建地代を軽減、領主の裁判の公正化、等の効果をもたらしました。

しかし、ルターさんはこんな大げさになるとは思っていなかったのです。

ルターさんはプロテスタント(抗議して新しい教えを説くこと)には領主の力が必要、信仰が平和に結びつくことを願う、等という理由から農民側を弾圧しました。

「そりゃないよ〜ルターさ〜ん!」という農民たちの声が聞こえてきそうです。ルターは結局領主側を支持しました、とさ。


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